千葉に来ている。「いのち輝け!合唱団」の今年最後のレッスンのためだ。そして週明けには、宮城・気仙沼へと足を運ぶ予定だ。気仙沼へは、被爆者歌う会「ひまわり」の平原ヨシ子さんと中川美苗さんが同行される。
この9ヶ月、東日本大震災支援を音楽で!を合言葉に、ひたすら走り続けてきたように思う。支援CD二作品の制作、長崎・浦上天主堂での支援コンサートを取り組み、来春3月18日の千葉でのコンサートで一旦落着する予定だ。
音楽によって被災者の方たちの心に寄り添い、支援金によって生きることへのささやかなお手伝いを!と走り続けてきた訳だ。
新しい楽曲を創作し、レッスンを重ね、それなりの成果を収めてきたと自負もしている。
しかし、内での成果は評価出来るとしても、外に向けての動きもまたそれなりに成果を収めたとは正直なところ、「うん!」とは言えない心境だ。
うねりとまでは言わない。さざ波でも構わない、絶えず動いていると言う実感が欲しい。
長崎の「ひまわり」「メゾン・ド・シャンソン」の会、そして千葉のいのち輝け!合唱団。三者が紛れも無い私の音楽を共有、発信してくれている仲間たちだ。ただレッスンを受けるだけでオッケーという人もいらっしゃるのは認識している。その上で、運動体としての意識をもっと深めて行きたいと強く願っている。その延長線上に来春の千葉コンサートを置きたいものだ。
今回のCD「気仙沼からの便り」。その感想をお聞きしたいのが、気仙沼行きの第一目的だ。いわゆる「文化」の在り方を模索するためだ。発信する側と受け止める側の温度差があるとするならば、それは一体何なのかを見極めたい一心なのだ。
ただひたむきに、また真摯に音楽を創作、制作するだけではどうしようもないことを痛感している。発信元として、どの様にして広げるのか、伝えるのかを学ばなければならない。他者の耳に届いて、初めて「文化」として存在し始める訳だからだ。
作ることと伝えることは致命的に違う。それを一体化する努力がこれまでの自分に欠如していたようだ。いい音楽を作って行けば、自然と広がってゆく、という考えは甘い!という見地から改めて見つめてみたい。
千葉ホテルの窓から見える超高層マンションや雲ひとつない空を見ながらの雑感だ。